競合優位性?競争優位性?間違っていたら恥ずかしいビジネス用語を解説!

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のりお
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こんにちは。中小企業診断士ののりおです。

ビジネスマンとして言葉の間違いは避けたいですよね。商談だけでなく、事業計画書などの書面でも、言葉の誤用は信頼感が下がる原因となります。
今回はビジネスマンとして知っておきたいビジネス用語「競争優位性」について説明します。

経営計画や商品開発でキーワードとして使われるのが、「競争優位」や「競合優位」。
戦略を立てる中で、他社とどう差別化をして、競争を勝ち残っていくか、というストーリーは必須です。

ここで気をつけておきたい事は「競合優位」という言葉はありません。
「きょううゆうい」か「きょううゆうい」と1文字違うだけですが競合優位は誤用です。正しくは「競争優位」です。ただし競合他社のことを競合と言うのは一般的です。
簡単に覚えられますので、間違った使い方をしないようにしっかりと理解しましょう!

競合優位なんて無い!あるのは競争優位!

繰り返しになりますが「競合優位性」は間違いです。正しくは「競争優位性」です。
なぜ、間違って使用している人が多いかというと、「競合」という言葉をよく使うからです。

それぞれ、ビジネスマンがよく使う言葉なので意味をしっかりと押さえましょう。

競合:競合他社のこと。自社と似たサービスを提供する会社のこと。
競争優位性:優位性とも言う。他社には真似できないような自社の強み。他社と差別化できている自社の強み。

したがって、競合(他社)に対する優位性ならば、競争優位性と言います。

英語では競合はcompetitor(コンペティター)、競争優位性はcompetitive advantage(コンペティティブ アドバンテージ,競争的な強み)です。
どちらもcompete(競争する)が語源となっています。

実際の現場では、多くの人が競争優位と競合優位を同じものとして使っています。
目上の人が競合優位と言っていたら、競争優位と同じ意味だと思いましょう。また、自分が話すときや資料を書くときには「競争優位」を使いましょう。

のりお
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相手に合わして言葉を使うことが大切です。

競争優位性を分析するためのフレームワーク

競争優位性を判断する方法(分析する方法)として最も有名なものがVRIO分析(ブリオ分析)です。「それって本当に競争優位性があるの?」と質問された時に答えられるように、準備しておくと安心です。

VRIO(ブリオ)分析で持続的な競争優位が判断できる!

VRIO分析ってどうやるの?

競争優位性について分析するときに頻繁に使用される方法がVRIO(ブリオ)分析です。1991年に経営学者ジェイ・B・バーニー氏が提唱しました。V・R・I・Oの4つ問いにYESかNOで答えることで自社の経営資源の価値を分析することができます。

(経営資源:ヒト・モノ・カネ・情報など会社の資源。自社サービスや商品、設備やスキル、ノウハウ、顧客リストや販売・仕入れルートなど)

VRIO分析の手順
Vから順番に問いに答えることで、経営資源がどのようなポジションにあるかを判断できます。
V(Value,バリュー):経済的価値。売上に貢献しそうか、コスト削減や生産性向上に繋がるか。
問い:それは価値があるか。
R(Rearity,レアリティ):希少性。
問い:それは他社が持っていないか。
I(Inimitability,インイミタビリティ):模倣困難性。
問い:それは他社が真似できないか。真似することが難しいか。
O(Organization):組織。
問い:それを自社で活用できるか。活用する体制が整っているか。

例えば新規事業でコインランドリーをするとしましょう。自社の経営資源をVRIO分析にかけてみます。
自社の経営資源として、不動産を持っていること、としてみます。

V(経済的価値):それは価値がありますか?→YES
コインランドリーに適する不動産を持っていればYESと言えます。もし、コインランドリー向けの場所でなければ他の新規事業を選択する方が良いとされます。
R(希少性):それは他社が持っていないか。→YES
基本的に不動産は他社が持っていないことが多いです。立地状況次第で、他社よりも優れているか、劣った資源なのか考える必要があります。
I(模倣困難性):それは他社が真似できないか→YES
周辺地域の不動産がコインランドリーに変わりそうにない理由があればYESとなります。例えば、周辺は住居用の建物ばかりであるとか、ずっとこのテナントが入っていて変化する見込みがないなどです。
O(組織):それを自社で活用できる体制が整っているか→NO
現時点では社内にコインランドリーを行うノウハウがない場合はNOとなります。O(組織)がNOとなる場合は「潜在的な競争優位性」と言います。
このように分析されれば、コインランドリーのコンサルタントを入れて運用ノウハウを補って新規事業を行うことで、持続的な競争優位性を実現しようという戦略が立ちます。

ここで、それぞれの問いでNOと答えた場合の結果を示します。

それぞれの問いでNOと答えた場合
V(それは価値があるか)がNOの場合:競争劣位。経営資源に経済価値が無い。
R(それは希少か)がNOの場合:競争均衡。経済的価値がある一方で、他社も所有しているため競争優位とはなっていない。
I(それは他社が真似できないか)がNOの場合:一時的な競争優位。現状では競争優位であるが、真似(模倣)しやすいため競合が現れやすい状況。
O(それを組織で活用できるか)がNOの場合:潜在的な競争優位。活用できる組織(社内の体制)が整えば競争優位を実現できる状況。

VRIOの全てをYESと答えられれば、「持続的な競争優位」となり胸を張って自社の強みとして言えることが可能です。

多くの新規事業や新規開発ではIの模倣困難性が焦点になると思います。アイデア自体は良いが、他社(特に大手企業)に真似されたらどうするか、どう真似されないようにするかがポイントとなります。

模倣困難性を実現するには、真似をしようとする他社に対して参入障壁を作ることが大切です。
・自社のサービスを一気に広めることで、2番手が追いつけないような確固たる地位を確立する。
・他社が参入する場合は巨額の投資が必要となるが、自社であれば安価に商品を作成できる理由がある。
・知的財産権(特許権など)を取得することで他社が真似できないようにする。
・地域を限定することで、他社が参入するメリットがないような仕組みにする。
これらのポイントを押さえられたら模倣困難性の高い事業になりうるでしょう。

以上、競合優位及びVRIO分析の説明でした。他にも解説してほしい用語がありましたらお気軽にコメントください。

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