ーどうして仮面浪人しようと思ったんですか?
このタイミングを逃すと一生後悔すると思ったからです。
ー仮面浪人ってキツかったですか?
ええ、とても大変でした。しかし高校の友達は「のりおは浪人している時の方が楽しそう」と言っていました。確かに高3の時よりも余裕があったかもしれません。
ー仮面浪人はオススメですか?
いいえ。人に勧められてやるようなものではありません。淡い期待を持っている人にはオススメしません。人に止められても、それでもやろうと思う人がいるなら、全力で応援したいと思います。頑張ってください。
仮面浪人を決意した18歳の時から10年近く経ちました。当時は今よりも仮面浪人に関する情報が少なくて、検索キーワードを工夫してネットを隅々まで巡回していました。仮面浪人を終えた後は、仮面浪人を考えている人の参考になれば良いなと思って、ブログで発信をしてきました。
ブログでは「仮面浪人のメリットとデメリット3選!」や「仮面浪人はオススメ?成功例を紹介!」と言ったように、Googleの検索上位になるようにタイトルや記事の構成を考える必要があります。その結果、誰が書いても同じような記事に仕上がってしまうこともしばしばあります。
仮面浪人なんて十人十色なので、これが正解なんてありません。そこで私のリアルな仮面浪人生活を物語的に紹介する方が、皆さんにとって役立つと思い、仮面浪人物語を書くことにしました。
私が学んだこと、気づいたことが何かがあなたへのヒントになれば幸いです。
これは「死ぬときに後悔する人生はイヤだ!!」という理由から仮面浪人を決意したのりおの仮面浪人物語。たった一年、されど一年で人生が激動したリアルをご紹介します。
仮面浪人を考えている人も、そうでない人も、もう仮面浪人を終えた(辞めた)人も関係なく、読み物として楽しんでいただけたら嬉しいです。
高校は地元の進学校にギリギリ合格からスタート
のりおは地元で一番偏差値高いの公立高校へ進学しました。高校の入試点数は自分より低い人が見つからないくらいだったので、ギリギリ合格で運が良かったです。
中学生では勉強ができる優等生でしたが、高校に入ってからはダメダメでした。思い返せば、中学時代は自分の才能でカバーできていたものが、高校の勉強量になると太刀打ちできなかったのが原因です。圧倒的な才能が無いなら無いで、持っている才能を最大限使いこなす勉強方法を持たないと競争では勝てないと気がついたのは高校3年、いや大学入試に失敗してからでしょうか。
ということで高校3年生の春の偏差値は河合塾で50。理系です。順当にいけば近畿大学~関西大学あたりを狙うにふさわしいスタートです。
のりおの高3春の成績(河合塾全統マーク模試,4月頃)
・英語:偏差値45。英語は高1の最初のテストから赤点を取るほどに苦手。まず、英単語が覚えられない。表現が多すぎて覚えられない。面白くない。
・数学:偏差値55。定期テストは平均点をちょっと下回るくらいで推移。数Ⅲに入り、難しすぎて辛い。覚えられない。
・国語:偏差値50。勉強方法がそもそもわからない。どうすれば賢くなるのかが不明。現代文はセンスなんて言われて、センスが無い人は終わりでは?と悩む日々。
・化学:偏差値55。理論化学はどの式を使えば良いか、どんな化学式になるのかがわからなくて困ったが、有機化学は丸暗記で戦えるのでなんとかなっている。はず。
・生物:偏差値55。覚えるだけなので、苦手意識は少ない。
・世界史:偏差値45。覚えられない。地獄のような単語の数。時間軸と地域が広すぎ多すぎて無理。
思い返してみると、ごく普通の勉強が苦手な高校生。塾講師として働いてみるとこんな生徒はいっぱいいました。できる人の方が稀。
スタディサプリと個別指導塾で大学受験へ!
ここから少し勉強パートが続きます。勉強ができる皆さんにはレベルが低いかもしれませんが、あしからず。
高校2年から地元の個別指導塾に通っていました。ここが後のアルバイト先になります。高校受験がメインの塾で、大学受験対策も細々とやっているような塾です。月謝が破格の安さで、自習室が使い放題(日曜日は空いていない)という所に惹かれて入りました。高校の同級生も二人いたのも良かった所です。
と言っても高3の時点では成績が伸びてなかったので、勉強方法を刷新しようと考えました。結果として、スタディサプリ (当時は受験サプリという名前でした)で講義を受けながら、質問したい箇所は個別指導の先生に頼るスタイルでいこうと決めました。
6月頃に部活を引退してからは、放課後は6時まで学校で勉強し、その後塾へ移動して夜10時まで勉強する生活を続けました。
本気になったからか、勉強方法が良かったからか、各教科が成績をメキメキと伸ばしてきます。
のりおの高3秋の成績(河合塾全統マーク模試,10月頃)
・英語:偏差値60。英単語が覚えられるようになってきて、日々成長していると実感できる。英語の勉強が苦では無いが、初見の文章は全然読めない。
・数学:偏差値60。数1、数2の共通テスト(当時はセンター試験)の過去問を解くことで、得点を伸ばす。ただし、数3はほぼノータッチのため、2次試験で太刀打ちできない可能性を認識しつつも対策に手が回らない。
・国語:偏差値55。古文漢文は単語や文法を覚えることでなんとかなると認識。現代文は勉強方法が確立できずに雲行きが怪しい。
・化学:偏差値60。理論化学は苦手のままだが、過去問演習で基本パターンを暗記していく。重要問題集のような難しい問題はやらないと決める。
・生物:偏差値65。セミナー生物とチェックアンド演習(学校で配られる問題集)をやれば成績が上がると実感。
・世界史:偏差値40。できる未来が見えない。やばい。
ちなみに第一志望は神戸大学農学部。センター試験(今は共通テスト)で得点率が80%くらい、マーク模試の偏差値では60〜65くらいは要ります。
同志社大学に合格最低点ギリギリで合格!
高3で成績が見る見る上がり、冬頃には第一志望の神戸大学も射程に入ろうかという所でした。そこで大学受験は同志社大学理工学部を併願として選びました。
全学部日程と個別日程の2回を受けて、合格したのは1日程だけ。しかも合格最低点+7点とギリギリでした。今だから笑えますが、もしも両日程落ちていたらストレート浪人でしたね。はは。
しかも得点は英語8割、化学7割、数学3割と英語のおかげで合格したようなものです。ありがとう英語。
塾生には絶対に合格する所を進学する気がなくても1つは受けるよう勧めています。ストレート浪人か、自分で選んだ浪人かは大きな差がありますので。
そして神戸大学は不合格だったので、同志社大学へ進学しました。心境は「神戸に落ちたのは残念。それでも、あんなに成績が悪かった僕が同志社に合格したのは素晴らしい!同志社ライフを楽しもう!」でした。数ヶ月後にはイバラの道に進むとも知らずに。。
アルバイト、恋人、サークル、学業のうち2つまでしか頑張れない!?
当時はコロナ前だったこともあり、盛大に新歓(新入生勧誘)が行われていました。毎日のようにサークルの新歓に行き、タダ飯と雰囲気を楽しむというのが通例です。時々危険なサークルがあるので注意。
私もいくつか行ってみました。京都のお寺を巡るサークル、喫茶店を巡るサークル、季節ごとにどこかへ遊びに行くイベントサークルなどなど。その中で、1番雰囲気が良いと思ったのは星空を見にいくサークル(天文部みたいなところ。)でした。
同じ学科の2年上の先輩がいて、文系理系、男女比率もちょうどバランスの取れたサークルでした。カメラが好きで星空を撮りたい人や、みんなと話すのが好きで入っている人など、少しゆるい雰囲気と多様な価値観が混ざっている所に惹かれました。この決断は良かったと思います。
そんなサークルの先輩から聞いた名言をいつくかご紹介。
・「1ヒメ、2女、3ババ、4魔女(読み:イチヒメ、ニジョ、サンババ、シマジョ)」
サークル内での女の人の扱い。3年生以降になると扱いが酷くなってくることの例え。女性が自虐的に用います。例:「私なんかもう3ババやから〜」
ちなみに早稲田では1姫、2女、3ババ、4屍(シカバネ)とのこと。地域団体で流派がありそうですね。
・「学業、バイト、恋愛、友達(サークル,部活)の4つのうち頑張れるのは2つまで。」
大学生も暇ではなく、打ち込めるのはせいぜい2つまで。学部卒であれば3年生からはインターンなどの就職活動も徐々に始めるので自由に活動できるのは2年まで。
部活に入るとそもそも1つしか専念できなかったりします。私は打ち込む系よりも幅広くやりたいなと思ったので、あえてサークルは緩めのを。バイトも緩めにして、バランスを取ろうと思いました。
・「理工学部の中でも電気と機械は就活余裕。」
化学系の先輩からのコメント。就職活動において電気系と機械系は特に有利。これは社会人になった今でもそう思います。入社後に知識が活かせるか、それがやりたい仕事かは別として、企業に入るだけであれば電気と機会は大手に入りやすいです。
アルバイトは塾で決まり!時給1250円!
さて、アルバイトは元々通っていた塾に決めています。働いている先生が楽しそうだったのを間近で見てきたので心配はありません。個別指導塾で先生一人に対して生徒が3人か4人つきます。小学生から高校生まで幅広い生徒がいます。週に2回、3時間で入っていました。
個別指導塾の先生に求められることは、「この先生みたいになりたい」とか「あの塾へ行くと楽しい」みたいな感情的なところで生徒に良い影響を与えることだと思っています。そんな先生になれたら良いかななんて思って始めました。
ま、仮面浪人するようなわけわからんような先生になってしまいましたが。笑
本編:「後悔する人生は嫌だ!」で始まる仮面浪人
一般的な大学生として、学業、サークル、恋人、アルバイトと毎日予定をこなしながらあっという間に終わった4月。気がつけばゴールデンウィークも過ぎて5月になっていました。
「GWを過ぎれば学食の混雑も減って使いやすくなるよ(訳:GW明けから大学に来る生徒が減る。五月病やら授業を切ったりで)」と先輩が言っていたのを聞きながら、そんなに空いてないなぁと思ったりする日々。大学には慣れてきました。
5月の末には中間テストがあったりして、勉強の負担が高まる中、水曜日1限の解析学の時間中のことでした。テイラー展開とマクローリン展開あたりを習っていて、黒板を写しながら
「今日の授業もちゃんと出席できた。1限は朝6時起きで結構キツいなあ。こんな感じで大学の授業を受けていたらあっという間に4年生になって、就職かぁ。機械系だし、大学の教授が言う感じだと学年のトップ層じゃなくてもそこそこの大企業には行けそう。大企業に行って、40年くらい働いたら引退して人生終わりだなぁ。そこそこの人生は歩めそう。」
全然授業に集中していません。テイラー展開の意味をよく分からず「近傍って何やねん」とか「式覚えられへん」とかで後にテスト前に困ります。
「どんな人生にしたいかななんて特に無いけれど、後悔する人生だけは嫌だなぁ。死ぬ時にやりたいことはやり切ったと思って死にたい。僕のこだわりはそれくらいかな。」
そこで一つのシーンが浮かびました。4月の新歓で出会った大学生のことです。
お寺を巡るサークルの新歓でした。、この時はパーティーみたいな感じで、サークルの部屋でお菓子を食べながらサークルの質問やら学生生活の質問に先輩が答えるという感じでした。新入生と先輩が入り混じっている中、場違いな人物が一人いました。
何がおかしいかと言うと、見た目。というかおじさん、お爺さんくらいの年齢の人がいます。最初は顧問の先生かと思いました。
どうやら話を聞くと、大学1年生らしいです。大学1年生の61歳。大学は年齢は関係ないなんて聞いたことはありましたが、本当に実在するとは思っていませんでした。さすが同志社大学。多様性ですね。
あまりに珍しいので質問に答えるはずの先輩が逆に質問をいくつもしていました。どうやらそのお爺さんは、理工学系の出身でメーカー企業に定年まで勤めたと。もともと文学や歴史が好きだったが、就職を優先して理系に進んだそうです。定年後は自分のやりたいことをやろうという事で、文学部に入ったそうです。
色んな人生があるんだなぁなんて当時は思っていました。
そんなシーンを思い返しながら、「そういえば、あの人は定年後でもやりたいことをやっていて、カッコ良かったな。僕も大学生のうちにやりたいことはやっておこう。そもそも、これまでの人生でやり残したことってあったかな?中学時代も高校時代も割と本気でぶつかってきたから完全燃焼な部分は多いけど。。」
そこで思い浮かんだことが、大学受験に失敗したことでした。あれだけ勉強頑張ったけれど届かなかった大学受験は辛いなぁ。
浪人という道は死んでしまう(少なくとも体を壊す)と思ったから、絶対にしないと思ったけれど、少なからずもう一回チャンスが欲しいというのが本音。でも、今さら受験勉強を始めるのも、再チャレンジしても合格する保証も無いし、リスクは高いよね。
仮面浪人をしたいと思った理由
・大学の勉強がそこまで興味が無かった。生物選択だった私に機械系は荷が重たかった。
・あれほど頑張って目指した第一志望に合格できなかったことが悔しい。納得がいかない。
・同志社大学って凄い。賢いと言われることを素直に受け取れなかった。
当時、人に説明するときは自分のやりたい勉強は神戸大じゃないと無いという流れで伝えていました。本音で言うと、行きたかったところに行けなかったという事が受け入れられなかったからです。全然合理的でないです。合理的に考えたら仮面浪人なんか辞めて、予備校に行って浪人しろって話です。
仮面浪人をしない方がいいと思った理由
・再チャレンジしても合格する保証はない。
・再チャレンジして不合格になれば、ほぼ間違いなく留年する。
・受験勉強を続けられる自信が無い。
・大学の友人やサークルに対して顔向けできない。
・今は気の迷いで、時間が経てば諦められるかも。
高3の時は早く受験が終わってくれと思っていたので、再度受験生生活に入るのは怖かったです。そもそも受験勉強を続けられる自信がありませんでした。
そんな感じで、迷いながらインターネットで調べてみると仮面浪人という事があると知りました。大学に通いながら再受験を目指すとのこと。これなら見かけのリスクは小さい。
実際には仮面浪人に失敗すれば、留年のリスクや失くした友達など仮面をしなければ手に入れられた大学生活があるのでリスクは大きいです。そんな美味しい話はありません。
コロナで友人関係が絶たれていた人ならリスクは多少小さいでしょうが。
と言うわけで、ネットで検索しても解決せず、何をどうしようか迷いまくった挙句、最初に起こしたアクションは兄への相談でした。
なんと当時のLINEが残っていたので置いておきます。リアルです。
今回はここまで。続きはお楽しみに。お気に入り登録しておいてくれると嬉しいです。
(執筆途中:2023/07/15)
余談1:スタサプの関正夫先生に英語学習の根本を教えてもらえた。
英語が苦手すぎた私にとって、スタディサプリで学んだことは大きかったです。その中でも印象に残っていることがあります。
ーいつか英単語が覚えられるようになっている、と思っていないか?
ー高1の時、「夏になったら英単語を覚えられているかな」と思っていたのに、夏が来たら「冬には英単語を覚えているかな」なんて望みを持っていなかったか?
ーその「いつか英単語を覚えられるようになっている」の、「いつか」は来ない。死ぬ気で覚えようと思っている人にしか、そのいつかは来ない。今、やっていない人にそのいつかは来ないまま、受験当日を迎える。
みたいな感じでした。めっちゃ納得したのを覚えています。人間って、将来の自分に期待しちゃいますよね。ちょっと下駄を履かせて。私も高1の時に英語で赤点を取ったときに、「ま、これから頑張ればなんとかなるでしょ」と楽観的でした。
英単語もいつか覚えられるかな、なんて思っていました。高3の時には薄々わかっていたんです、英単語覚えるのって難しすぎる。と
英単語を今頑張らないと、英語の成績は絶対に伸びないとマインドを持った上で、関先生は英単語の勉強方法も提示してくれました。
ーいくら想いが強くても、覚えようと思っても、人間は忘れてしまう。それは君が悪いのではない。忘れることを悲観的にならず、もっと効率的に勉強しよう。
ー英単語は毎日、「見るだけ」でいい。単語を見て、英語→日本語を覚える。1単語あたり5秒で十分。覚えてくれば1単語1秒もかからなくなってくる。
こんな感じでした。英単語の勉強法についてはさらに詳しくありました。
毎日100単語を見る。5日間で1〜100,101〜200,…,401〜500に目を通す。そして、その次はもう一度1〜100,101〜200を見ていく。これを7セットくらいすれば90%以上は覚えているという方法。
関先生が多くの受験生を見てきて、この方法を実践してもらい、成果が上がったと胸を張ってオススメしていました。
「これは関先生を信じてやってみるしかない!!」
初日は100単語を見るだけなのに、1時間くらいかかっていました。それが7セット目あたりになると、時間が半分以下になっていて、成長を実感しました。
成績は「上がる」のではなく、「上げる」ものだと認識し始めたのもこの時期からです。
やっぱり、成長を実感できると人間はやる気が上がります。成長が無ければやる気出ないです。
スタディサプリによるのりおの英語学習成果
・英語偏差値45が60overへ。
・大学入学後も英語学習が嫌いじゃなくなり、TOEICを半年で600→800点overへ。
英語が苦手じゃなくなった、というのが大きな成果でした。
ちなみにリーディングはできるようになりましたが、スピーキングはヘボヘボのままです。やっぱり勉強しないとできるようにはならないですね。
あと関先生からは英語の長文を解いたら、毎日1回読んで合計10回は読むようにと言われて、その通りにしました。びっくりするくらい成績が上がりました。音読の効果を実感し、同じ文章を読む大切さをわかりました。これは語学学習において非常にプラスでした。
余談2:現代文の勉強を理解したのは仮面浪人を始めてから。
現代文。これが最も私の受験生活で難しかった相手です。まず、知識問題では無いので同じ問題は2度と出ません。
問題を解いて、答え合わせをしますが、力がついた気がしません。何を勉強すればいいのかもわかりません。迷走していました。
その中でも、スタディサプリの小柴先生の講義は受けて良かったです。現代文で頻出の論理展開や問題作成を分類してくれるので、「今回の問題はーーに分類されますね」と言ってくれて汎用性があります。
一方で、現代文の勉強で大切なことがわかったのは仮面浪人をしてからです。
現代文が得意な人と、苦手な人の差は「頭の中に保持できる文字量」にあるとわかりました。ワーキングメモリーとも言ったりします。多分。
英語の文章だとわかりやすいですが、英文を1つ読んで、次の文を読み始めると手前の文章のことを忘れる、覚えていられないことってありませんか?このことです。
でも簡単な絵本であれば、文章を2つも3つも頭の中に理解して置いておけます。簡単な文章であれば、脳の処理を大きく使用せずにいくつも保持できますが、難しい文章だと1文すら頭の中に入れておけない。すーっと抜けていく感覚です。
簡単な文章なら意味を保持できて、難しい文章なら保持できない理由は「自分の脳が鍛えられていないから」です。だから現代文にせよ、英語にせよ「1日1長文読みましょう」なんて言われます。読めば読むほど、基礎体力がつくのです。これが無ければ、小手先のテクニックなんて意味を成しません。
そして、この力を高めるためには「同じ文章を何度も読む」ことが大切です。同じ文章を読むことで、徐々に理解度が深まっていきます。1回目にはわからなかった文と文の繋がりが見えるようになってきます。
これを知らなかった私は成績が伸び悩み、モチベーションも低かったです。正直、学校の先生にはこの現代文との向き合い方を教えて欲しかったです。
実は、英語の成績が上がったことがきっかけで、国語の成績が上がるようになりました。
関先生のおかげで英語の勉強法は早い段階で自分のモノになりました。そして、現代文・古文・漢文の勉強法について深く考えていると重要なことがわかりました。
英語は外国語。
古文は日本語ではなく、古い時代の言葉なので、実質外国語。
漢文は中国の言葉なので、もちろん外国語。
ということで、古文と漢文は英語と勉強法は同じでOK。単語と文法を覚えたら長文をひたすらに音読。これで良いのだと自信がありました。
そして現代文も言語なので音読の効果は絶大のはず。そうして国語の勉強法は英語の勉強法とほぼ同じで完結しました。
英語の勉強法を通じて、英語以外の科目に横展開ができました。
余談3:生物の先生が言った「問題集を3周しましょう」を理解した。
のりおが最初に成績が上がった実感があったのは生物です。
テスト前に誰かが聞いた「オススメの勉強法はありますか?」に対して
「みんな他の科目もあるし難しいことは言わないから、提出物の問題集を3周やって!それだけ!」
本気で成績を上げたかった私は真に受けました。
どうせどの科目も泣かず飛ばずの結果になるくらいなら、生物に集中して一点突破しよう!
いつもはバランスよくどの科目にも時間を取りますが、この時は生物を優先して問題集を3周しました。それ以外は特に何もやっていません。
そして、テスト結果が返ってきました。ちなみに手応えはいつも通り。
先生「今回のテストはびっくりするくらい上がった人もいれば、下がった人もいました。まだまだ受験までは時間はあるけれど、復習しっかりしようね」
と言われて取りに行った生物のテストがクラストップでした。ビックリ。
友達から「何をどうやったん!?」と言わましたが、答えはもちろん「問題集を3周やったくらいです…。」と。難しいことをやってないが故に私もびっくりしました。
恥ずかしながらこの問題集を3周することのメリットって、この時初めて知りました。
それは自分が成長していることを実感できることです。これまで問題は1回解いて答え合わせ、やり直しをすれば十分だと思っていた私にとって、3周することは多くのことを教えてくれました。
1:問題集を初めてとく時は間違えてもメンタルに響かない。
問題を解いて、間違えたら「できなかった」と落ち込みませんか?
私は落ち込むタイプでした。でも3周やることが前提なら落ち込みません。どうせあと2回やるので、次間違わなければ良いというスタンスになります。
2:1回目よりも3回目の方が時間も気持ちも楽。
問題を解くのって労力がかかりますよね。しんどいですよね。
1回目はもちろんしんどいのですが、3回目になるとめっっちゃ楽になります。そらそうです。見たことある問題ばかりですもの。そして必要な時間は最初の半分くらいになっています。これだけで賢くなったと実感できます。
同じ問題を何回も解いてもそれって答えを覚えているだけじゃないの?
まあ、答えも覚えていますが問題に対する答えとして覚えています。それは悪いことでしょうか?
問題を見ずに答えだけ覚えるのは悪手ですが、問題に対して答えを覚えることは普通だと思います。
むしろ、間違い直しを1回したくらいで覚えられるような人間でないので3回やっています。覚えるために。
知識のストック(資産)を作ることで問題を解けるようになるので、覚えなければ問題集をやる意味がありません。ここを私は認識するのが遅かったです。
問題を解くことはテストと同じで正解か不正解かが重要だと思っていました。問題集は覚えるためにあります。問題集を覚えるからこそ、テストで点が取れるようになるのです。
ちなみに多くの学生は同じ問題を何度もやることを嫌がります。2回目も同じ問題で間違うことが嫌なんです。
人間は弱い生き物なので、自分ができないことに対して極度の拒否反応を起こします。どう考えてもその方が有効な勉強法なのに、やりたがりません。問題を解いて、答えが間違っていると自分が否定されたように思うのでしょう。
だから、私の思う勉強法を塾の生徒に教えても99%の人が再現できませんでした。無念。
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