こんにちは。神戸大学卒業生ののりおです。
神戸大学の数学って標準レベルと言われますが、難しいですよね。数学が得意な人にとっては簡単かもしれませんが、そんな人は少ないと思います。そもそも数学が苦手で、共通テストも自信がないという受験生も多いで。
今回は神戸大学に合格するための数学の勉強法を紹介します。
私は個別指導塾や家庭教師として7年働き、実際に神大に合格した生徒や友人の勉強法をたくさん聞いてきました。数学の勉強に困っている人はぜひ参考にしてください。(文系理系どちらも対応しています。)
なお、英語の勉強法を知りたい人は「神戸大学の英語勉強法」をどうぞ。
共通テストレベルから紹介しますが、ご自身のレベルに合った参考書からスタートしてもらって大丈夫です。
共通テスト対策:得点率80%を目指そう!
共通テストで80%を取れれば合格が見えてくる
神戸大学は大阪大学や京都大学と比較すると、共通テストの配点が多いことが特徴です。そして2次試験は標準的な問題が多いと言われます。
そういったことから、2次試験で逆転合格が起きにくい印象があります。もちろん2次で逆転した合格者も知っていますが、全体としては2次でコケることはあっても2次で逆転するのは難しい印象です。
したがって、神戸大学に合格するための第一ステップは共通テストで高得点を確保することです。多くの学部では共通テストで75~80%ほど得点することが目安になります。
多くの学部で共通テスト8割、2次6割が合格ラインです。
過去の合格者の共通テスト平均点や合格最低点はこちらからチェックできます。志望学部の合格最低点は必ず見ておきましょう。
共通テストの数学で80%を取るために必要な勉強・参考書
まずは共通テスト6割を安定して取るために緑チャート!
正直、数学が苦手で何から始めたら良いのかわからない。
文系理系を問わず、数学が苦手な人は多いのではないでしょうか。
いきなり過去問や予想問題で演習を始めるというのがこわい、自信がない人にオススメの最初の1冊は緑チャートです。
チャート式は青チャート(完璧にすればどこの大学でも大丈夫なレベル)や黄色チャート(定期テストレベル)などいくつか種類があります。この緑チャートは共通テストに特化した問題集です。
共通テストの頻出分野を中心にまとめているので、非常に使い勝手が良いです。また、令和7年からの新課程にも対応していて使い勝手が良いです。
緑チャートの特徴
・分野別に基本問題から実践レベルまで幅広く対応
・共通テストで5~6割を安定して取ることができない人にオススメ
多くの受験生を見ていると、数学の苦手な人ほど、共通テスト対策レベルの教材は自分にはまだ早いと思ってしまう傾向があります。昔の私もそうでした。
しかし、実は学校で配られるような教科書傍用問題集よりも取り組みやすいのが緑チャートです。
共通テストは毎年平均点を5割~6割程度におさめる必要があるので、極端に難しい問題や簡単な問題ばかりは出題されません。ちょうど良い難しさを実現するために、大問の1つ目は簡単で、大問の最後は難しくなるような問題構成にしています。そのため、得点率が5割~6割くらいまでの部分は典型的な問題が多くなります。
緑チャートは頻出な問題パターンを中心に載せているので、典型的なパターンは暗記できるようになります。これが良い所です。数学が苦手な人が、多くの種類の問題を闇雲に解いてもあまり成長を実感できません。それよりも「このパターンなら解ける」と自信が持てるようになれば、あっという間に得点率5~6割が見えてきます。できるパターンを増やしていくだけで平均点くらいまでは到達できます。
緑チャートの上手な使い方は?
緑チャートは3周するのがオススメ。3周すれば、問題を見た瞬間に「こうやって解くパターンのやつ」とすぐに判断できます。このような力がつけば制限時間が少ない中で、時間を使うべき問題に時間を使うことができます。
数学の勉強法がわからない。成績が伸びないと悩んでいるのであれば、まずは緑チャートから始めましょう。
高得点を取るためには演習量が重要!
緑チャートはなんとかできるようになってきた。
緑チャートの理解度が90%くらいになってきたら実践級の演習を増やしましょう。
共通テストは筋トレのようなものです。量をこなしていくと、どの公式を使うべきか、どのように誘導に乗ればよいかが素早く判断できるようになります。
どんな参考書で演習すれば良い?過去問?
共通テストは2021年から始まったので、過去問は多くありません。また新課程となったので本当の意味での過去問は存在しません。それは受験生みんな同じ条件ですので、そんな中でも身につきそうな教材から手をつけると良いでしょう。
演習の優先順位
1.共通テスト過去問
2.共通テスト模試
3.センター試験過去問
4.センター試験模試
まずは共通テストの過去問と、駿台や河合塾から出版されている過去の共通テスト模試の問題集から手をつけると良いです。もちろんセンター試験の過去問まで遡ることもオススメします。
共通テスト演習用問題集
・共通テスト赤本
・河合塾共通テスト総合問題集
・駿台共通テスト問題集(1A) 2BC
演習の段階では時間制限を気にしなくて大丈夫です。時間を気にせずに問題が解けるかが大切です。オススメの参考書は以下の通りです。
以上3冊(河合と駿台は1Aと2Bが別の問題集なので実質5冊)を完璧にやると共通テストで70%の得点は可能です!
演習をやっても正答率50%以下の場合
基本的には緑チャートで公式などの基礎は固まっていますが、共通テスト特有の主題形式に慣れていないと正答率が50%に満たないということも少なくありません。
緑チャートをしっかりやった後で、時間制限なしで共通テストの演習をやった時に正答率が50%以下を連発する場合は、大学共通テスト数学の点数が面白いほど取れる本をやってみるのがオススメです。
「〜の点数が面白いほどとれる本(通称:黄色本)」というシリーズですが、例題と解説が交互になっており、共通テストの教科書的な存在です。
読み物的にも優れているので、緑チャートをやった後だけでなく、ある程度演習した後でさらに得点率を上げたい時に弱点を補強していくときなどに有効です。
正答率が低いまま勉強を続けるとモチベーションが下がるので、一歩戻って勉強する方が結果的に時間を節約できます。
2次試験スケジュール:いつから本格的に勉強をすればいい?
神戸大学は共通テストの配点が大きいため、結果的に2次試験が手薄になってしまう受験生が多いです。まずは模範的な合格者のスケジュールを示しますので、参考にしてください。
夏まで:緑チャートなどで基礎固め+軽く過去問演習
9,10月:共通テスト演習と並行して、2次試験用問題集の簡単めの問題(A問題や必須問題など)を1周(100~200問程度)。
11月:神戸大学模試までは2次試験の勉強を継続しながら、徐々に共通テストの配分を増やす
12月:共通テスト対策に集中
1月:共通テスト後は私立の過去問
2月:神戸大の過去問+2次用問題集を周回
おおよそ上記のペースで勉強すると良いでしょう。秋のマーク模試や神戸大学模試で結果を残せると良いですね。
2次試験対策は秋頃までである程度仕上げつつ、共通テスト後に詰め込むスタイルが一般的です。共通テストが終われば数学に充てられる時間がかなり増えるので、そこでスパートをかけるイメージです。
神大数学2次試験対策:文系
文系数学は差がつきにくい
文系だし、2次試験は記述だから数学は不安…。
神戸大学文系数学は大問3つ、制限時間80分です。大問1つあたり25分くらいのイメージ。大問は小問2~3つから構成されています。
神戸大の問題は標準的と言われますが、特に文系は基本的な問題が出る傾向にあります。
例年の合格ラインはおよそ60%。完答が2つと小問1つくらいで合格ラインです。完答1つと小問2つでボーダーくらいでしょう。
文系数学は差がつきにくいです。
神戸大学志望の人は共通テスト8割弱ほどを取れる実力があるため、小問はみんな得点できます。また部分点によって意外と差がつきにくいのが文系数学です。
そのため、数学でコケないことが大切です。数学が得意な人は高得点を目指してほしいですが、苦手な人は高望みするのではなく、苦手な分野を作らないことに徹しましょう。
文系数学にオススメの問題集
共通テストで基礎ができているので、2次試験の対策はスムーズに進みやすいです。
神戸大学に合格するために必要な2次試験文系数学問題集は次の通りです。
文系数学用問題集
・学校から配布される分野別問題集(400問)
・余力があれば重要問題集文系(200問)
・参考用:青チャートやFocus Goldなど網羅系参考書
学校から配布されるような問題集1冊で十分です。
学校から配布される問題集とは以下のようなものです。
文系であればメジアンやシニアくらいが多いでしょう。入試の中級くらいまでの難易度がちょうど神戸大学レベルです。数研出版の参考書がどのレベルかはこちらで確認できます。
イメージとしては問題集の400問を完璧にすれば文系数学では十分戦うことができます。
数学が苦手な人はアスタリスクの付いている問題などおよそ300問を目指して頑張ってください!
もしメジアンやシニアのような問題集がない人はいきなり重要問題集でOKです。その場合は重要問題集の後に青チャートのような網羅系参考書の重要度の高い問題をやりましょう。
青チャートのような網羅系参考書を完璧にすれば余裕で神戸大を合格できますが、そんな人は文系でも理系でもほとんどいません。基本的に網羅系参考書は辞書のように使ってください。
あとは過去問演習で大丈夫です。
過去問演習用教材
・神戸大学の赤本
・(神戸大学の数学25ヵ年)
数学の過去問については赤本等を使って5年分はマストでやりたいです。私立併願だと2月の上旬までは私立対策に時間が取られると思いますので、過去問は10年分もすれば十分だと思います。
もちろん時間に余裕があれば15ヵ年や25ヵ年をやっていきましょう。やればやるほど神戸大学のレベル感がわかると思います。
ただし、あくまで過去問は過去問ですので他の参考書などをやった方が類似の問題が出る可能性は高いと考えられます。バランスよく勉強しましょう。
神大数学2次試験対策:理系
神戸大学理系数学は大問5つ、制限時間120分です。理系は数ⅢCがあるため、しっかりと2次の勉強をしなければいけません。
数3も苦手だし、1A,2Bでも苦手な範囲があるなぁ。
神戸大学の受験生は数学が苦手な人が結構多いです。ただし数学は合否に直結するので、逃げずに頑張りましょう。オススメの参考書は2冊あります。
理系数学のための参考書
・理系数学入試の核心(新課程増補版)(150問)
・重要問題集理系(300問)
まずは上記2冊をしっかりとやり込みましょう。問題文を読んだら解法や方針が浮かぶくらいまで仕上げたいです。
私は数学が苦手だったので、入試の核心を5周くらいして全部覚えるようにしました。
私のように数学が苦手な人は、数学を暗記科目だと思ってたくさんの問題を何回も見て覚えていきましょう。入試の核心の150問を覚えるだけでも成績がグンとアップします。
上記2冊で基本的には合格ラインにたてます。共通テストから2次試験までは1ヶ月ほどしかないので、あとは過去問が中心になります。
過去問教材
・神戸大学の赤本
・神戸大学の数学15ヵ年
ちなみに過去問は5年分はマストですが、余力があれば10年はやりましょう。多ければ多いほど勉強になります。ちなみに私が浪人したときは20年分やりました。
過去問は難しすぎて解説を読んでも分からない問題もあると思います。
入試は満点を取る必要は無く、満点を阻止するような問題もあるので注意しながら過去問演習してください。
ちなみに、さらにもう1冊神戸大学レベルの数学問題集が欲しいという人は厳選!大学入試数学問題集 理系272 (河合塾SERIES) がオススメです。どの分野も網羅的かつ問題数も適量です。
まとめ
以上、神戸大学に合格するための数学の勉強法でした。
基礎をしっかりと固め、共通テストでしっかりと得点することが大切です。神戸大に合格して楽しいキャンパスライフを過ごしましょう!
書いてほしい記事があればお問い合わせまで。お気軽に。
番外編:そもそも数学の成績を上げる自信がない人へ
みなさんは数学の成績を上げるイメージを持てていますか?成績が上がるイメージがあるか無いかは結果に大きく影響します。
私は高校生の時、数学が嫌いではなかったですが、成績が上がるイメージが持てませんでした。
1つ1つの論点は理解できる一方で、すぐに忘れてしまって問題が解けなかったです。数学って基本問題とされている問題数が多すぎると思いませんか?笑
解説を見ればわかるけれど、問題を読んでもどの公式を使えば良いか全く浮かばない状況でした。定期テストであれば計算問題で点数を稼ぐタイプでした。定期テストはなんとか平均点を取れていましたが、実力テストや入試問題となると歯が立たなかったです。
授業が進むのも早くて消化不良でした。
2次関数はとりあえず平方完成しとけばいい、ベクトルはとりあえず内積計算、みたいにとりあえず公式に当てはめてから、「で、この後は何すればいいんだ?」という状況でした。
当時、青チャートなど学校の教材だけで勉強していましたが、そもそもインプットが曖昧ですので、問題集を解いても成績が上がりません。
上質なインプットがあるからこそ、アウトプットの問題演習が意味を成します。インプットがガタガタだといくら問題演習をしてもその場しのぎの勉強になります。
体系的に数学を捉えないと膨大な問題数に立ち向かえないとわかりました。
日々の授業の中で大切なことを教えてもらえている時間は短いです。
「なぜ平方完成をしようと思ったのか。」「なぜ内積の公式を使おうと思ったのか。」といったように「なぜそれを使おうと思ったのか」を自分にインストールして行くことが数学の成績を上げるコツです。
このアプローチの意図・意思が無ければ数学の成績は上がりません。そしてこれは参考書だとなかなか書いてくれていません。文字にし辛いんですよね。
逆に重要問題集は解説に載せてくれているので私はオススメの参考書として挙げています。
上質なインプットが無いと成績は上がらない!
私は個別指導塾に通っていたので、予備校の授業に憧れがありました。なんとなく予備校の授業を受ければ、成績が上がりそうだと思いませんか?
そこでスタディサプリ
を高2で始めました。大手予備校の経験があるプロの先生の授業が月額数千円で受け放題です。予備校でも週に1回しか授業がないので進み具合が遅いですが、スタサプなら倍速機能もあるので逆転合格を目指すにはめっちゃ良かったです。
これが転機でした。堺先生という数学の先生がめっちゃ良かったです。
スタサプの講師陣は河合塾や駿台のような大手予備校経験者ばかりですので、講義の質はどれも高いです。
スタサプの数学の先生は山内先生と堺先生がいます。正直、山内先生は普通の先生という感じで私はいくつか講義を受けてやめてしまいました。
一方で堺先生の授業は最高でした。数学ができる人の頭の中を言語化して教えてくれます。片っ端から堺先生の講義を受けて数学へのモチベーションが上がりました。数学ができる人のアプローチ方法を分野横断的に教えてくれます。
例えば「この問題だとアプローチは3つあるけれど、この方法はここが大変になると問題文からわかって、この方法は計算が大変だから、今回はこれでいきましょうか。」と言った具合です。
強弱をつけて教えてくれるので覚えやすいです。
膨大な分野がある中で、重要なことと重要度の低いものを切り分けてくれるのでその後の勉強がはかどります。重要なパターンを集中的に習得することで、周辺知識も入ってきやすくなります。
知識の幹となる部分をスタサプの動画で効率的に育てた後に、問題演習で周辺知識も育てていくイメージです。塾講師になった今でも、生徒の質問対応する時に頭に堺先生がよぎったり、堺先生から教わった方法で教えたりします。
堺先生のおかげで成績が上がったと胸を張って言える分野
・2次関数。グラフを書くことがゴール。
・3次関数。グラフを書くために微分するし、増減表を書く。
・漸化式。ほとんどは等比型にするために式変形する。そこまで行けば勝ち。
・2項係数。式は暗記しなくても大丈夫。意味合いを知れば勝手に出てくる。
他にも沢山あります。毎回の講義が楽しみだったのを覚えています。塾講師になった今ではあのレベルの先生はかなりレベルが高いとわかります。大手予備校に行って変な先生に当たるくらいなら堺先生の方がオススメです。
もちろん、みなさんに合うかは分からないので一度講義を見てから判断して欲しいです。
以上をまとめると、数学の成績の上げ方がイマイチわかっていない人は上質なインプットから始めてください。インプットは参考書だと問題に対するアプローチや、思考が上手く表現されていないので、動画講義や授業を受ける方が良いです。
近くに大手予備校がない人や既に塾に通っている人はスタディサプリの堺先生の動画講義がオススメです。ただ、自分に合うかは無料体験で一度動画を見てから確認して頂ければと思います。
以上、神戸大学の数学勉強法でした。みなさんの合格を応援しています。
感想や疑問があればお問い合わせからお気軽に連絡ください。この記事がもっと良いものなるような情報もお待ちしています。
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